日本標準産業分類とは

日本標準産業分類:大分類・中分類について

日本標準産業分類とは

日本標準産業分類(にほんひょうじゅんさんぎょうぶんるい/Japan Standard Industrial Classification/JSIC)は、日本における産業の統計データを分類・整理するための基準として制定された分類体系です。日本国内で経済活動や産業構造を分析し、適切な政策立案や経済指標の作成を行うために必要な基礎データを整備するために使用されています。

日本標準産業分類の概要

1. 目的と背景:

  • 日本標準産業分類は、経済活動を体系的に分類し、統計データの収集・分析を行うために利用されます。分類により、さまざまな産業活動を一貫した方法で把握することが可能となり、経済政策や産業政策の策定に役立てられています。
  • 初版は1949年に制定され、その後、経済の変化や新しい産業の発展に応じて、定期的に改訂が行われています。

2. 構成と階層

  • 日本標準産業分類は、産業を大分類、中分類、小分類、細分類の4階層に分けています。これにより、産業の全体像から個別の事業活動まで詳細に分類することができます。
  • 例えば、「製造業」という大分類の下に「食品製造業」や「化学工業製品製造業」などの中分類があり、その中にさらに小分類や細分類が存在します。

3. 主な利用分野

  • 統計調査:各種政府統計(国勢調査、経済センサス、工業統計調査など)でのデータ収集・分析に用いられます。
  • 企業活動の分析:企業の業種分類や市場調査などにも活用され、産業ごとの動向や構造変化を把握するための指標として機能します。
  • マーケティング活動:企業データベースを活用したマーケティング活動において、業種分類に基づいたデータ選定、データ抽出に広く利用されています。
  • 行政施策の策定:政府が経済や産業に関する政策を立案・実施する際に、産業分類を基にしたデータが参照されます。

4. 国際標準との関係

  • 日本標準産業分類は、国際標準産業分類(International Standard Industrial Classification, ISIC)や北米産業分類システム(North American Industry Classification System, NAICS)など、他国の産業分類との互換性も考慮しており、国際的なデータ比較が可能となるように設計されています。

5. 改定と更新

  • 最新の日本標準産業分類は、経済のグローバル化や技術革新などに伴う産業構造の変化を反映するため、定期的に見直しと改訂が行われています。これにより、現代の経済活動を適切に反映し続けることが可能となります。

6. 大分類と中分類

大分類 中分類
 A 農業、林業   01  農業
 02  林業
 B 漁業   03  漁業(水産養殖業を除く)
 04  水産養殖業
 C 鉱業、採石業、砂利採取業  05  鉱業、採石業、砂利採取業
 D 建設業   06  総合工事業
 07  職別工事業(設備工事業を除く)
 08  設備工事業
 E 製造業  09  食料品製造業
 10  飲料・たばこ・飼料製造業
 11  繊維工業
 12  木材・木製品製造業(家具を除く)
 13  家具・装備品製造業
 14  パルプ・紙・紙加工品製造業
 15  印刷・同関連業
 16  化学工業
 17  石油製品・石炭製品製造業
 18  プラスチック製品製造業(別掲を除く)
 19  ゴム製品製造業
 20  なめし革・同製品・毛皮製造業
 21  窯業・土石製品製造業
 22  鉄鋼業
 23  非鉄金属製造業
 24  金属製品製造業
 25  はん用機械器具製造業
 26  生産用機械器具製造業
 27  業務用機械器具製造業
 28  電子部品・デバイス・電子回路製造業
 29  電気機械器具製造業
 30  情報通信機械器具製造業
 31  輸送用機械器具製造業
 32  その他の製造業
 F 電気・ガス・熱供給・水道業  33  電気業
 34  ガス業
 35  熱供給業
 36  水道業
 G 情報通信業   37  通信業
 38  放送業
 39  情報サービス業
 40  インターネット附随サービス業
 41  映像・音声・文字情報制作業
 H 運輸業、郵便業   42  鉄道業
 43  道路旅客運送業
 44  道路貨物運送業
 45  水運業
 46  航空運輸業
 47  倉庫業
 48  運輸に附帯するサービス業
 49  郵便業(信書便事業を含む)
 I 卸売業、小売業  50  各種商品卸売業
 51  繊維・衣服等卸売業
 52  飲食料品卸売業
 53  建築材料、鉱物・金属材料等卸売業
 54  機械器具卸売業
 55  その他の卸売業
 56  各種商品小売業
 57  織物・衣服・身の回り品小売業
 58  飲食料品小売業
 59  機械器具小売業
 60  その他の小売業
 61  無店舗小売業
 J 金融業、保険業   62  銀行業
 63  協同組織金融業
 64  貸金業、クレジットカード業等非預金信用機関
 65  金融商品取引業、商品先物取引業
 66  補助的金融業等
 67  保険業(保険媒介代理業、保険サービス業を含む)
 K 不動産業、物品賃貸業   68  不動産取引業
 69  不動産賃貸業・管理業
 70  物品賃貸業
 L 学術研究、専門・技術サービス業   71  学術・開発研究機関
 72  専門サービス業(他に分類されないもの)
 73  広告業
 74  技術サービス業(他に分類されないもの)
 M 宿泊業、飲食サービス業  75  宿泊業
 76  飲食店
 77  持ち帰り・配達飲食サービス業
 N 生活関連サービス業、娯楽業  78  洗濯・理容・美容・浴場業
 79  その他の生活関連サービス業
 80  娯楽業
 O 教育、学習支援業   81  学校教育
 82  その他の教育、学習支援業
 P 医療、福祉   83  医療業
 84  保健衛生
 85  社会保険・社会福祉・介護事業
 Q 複合サービス事業  86  郵便局
 87  協同組合(他に分類されないもの)
 R サービス業(他に分類されないもの)  88  廃棄物処理業
 89  自動車整備業
 90  機械等修理業(別掲を除く)
 91  職業紹介・労働者派遣業
 92  その他の事業サービス業
 93  政治・経済・文化団体
 94  宗教
 95  その他のサービス業
 96  外国公務
 S 公務(他に分類されるものを除く)   97  国家公務
 98  地方公務
 T 分類不能の産業  99 分類不能の産業

(令和6年4月1日施行版)

参照元:総務書:https://www.soumu.go.jp/toukei_toukatsu/index/seido/sangyo/index.htm